文系院試向け研究計画書を書く人に必見!「先行研究選び」を爆速にする方法
「研究計画書を書かなきゃ!でも、どこから書けばよいのか分からない・・・」そんな悩みを抱える受験生は多いでしょう。
その中で特に気分をざわつかせる単語があります。
先行研究。
なんだか聞きなれない、不穏な一言。
「志望先の先生から『あなたは先行研究が足りない。もっと読んで来て』と言われた・・・」
「現在所属しているゼミの先輩から『昔はもっと先行研究をしたのに、今はあんまりしなくなって残念だ』と言われて気になる・・・」
など、悩みを抱えた方も居られるでしょう。
これまで大学にて、先生から言われるがままに学修して来た学生にとっては「先行研究」はあまり馴染み深くないものです。
「そもそも、今までの授業を受けるやり方でいいじゃん。先生からレジメを貰って、それをまとめて・・・・。なんでワザワザ、古い書籍に当たる必要があるの?」
とか
「そんな昔の研究で、今の世界を生きる私たちの興味関心に応えられるわけない!」
など、そもそも先行研究をすべきか否かに疑問を持つ人もいるでしょう。
しかし、多くの文系大学院では面接や口頭試問で「あなたの研究計画書における先行研究とは何ですか?」と質問されます。
なぜ大学院入試では、ここまで先行研究が重視されるのでしょうか。
答えとしては「あなたの研究は、過去の先人たちが積んだ先行研究の上に成り立つため」となります。
先行研究とは、あなたの研究の基礎である。
先行研究とは、
1:自分の研究に関連する
2:研究者の間で議論・検討されて来た
3:学術的な検討を経て公表された
先行する研究者によって為された研究のことです。
特に3が重要です。学術的検討とは学会発表や論文、研究書などの形で学術的な検討を経て公表された成果を意味します。これらを通過している場合、研究に求められる一定の検討を経ているため、研究の出発点として活用しやすいという訳です。
そこに1における自分の研究との繋がりがある方が良いです。また2における「今まで積まれた議論の厚み」や「間口の広さ」が加わると更に良いです。
この過程を経ることで、自然と自分の研究に必要な諸要素がそろいます。
研究のためのキーワード(鍵概念)、研究対象の大まかな捉え方、データの集め方、その提示方法などなど・・・。
ここまで聞けば「なら直ぐに取り掛かるべきだね」と急ぐ人もいるでしょう。
しかし、ちょっと待ってください。このまま先行研究を「丸パクリ」すれば先行している研究者の研究が、そのままあなたの研究になってしまう可能性も同時に高まります。
では、どのように先行研究を行うべきか?
答えとしては「自分の研究の基盤として捉えつつ、そこに自分のオリジナリティを加える方法を考える」こととなります。
基盤としての丁寧な選別を経た先行研究は、一言で言うならばあなたの研究における「宝物」です。
先行研究選びは、あなたの研究の強い説得力、無駄のない行動計画、そして何よりもあなた自身が納得できる形での研究生活を可能にします。
それほどまでに、先行研究選びは重要な一歩目なのです。
先行研究は「地図」である 。
たとえ話になりますが、先行研究は「地図」のようなものです。
例えば、初めて訪れる土地へ歩くとします。何も調べずに歩き始めることもできますが、多くの人は地図やナビを確認してから出発するでしょう。
地図には、目的地までの道順だけでなく、途中にある駅や交差点、遠回りになりやすい場所など、多くの情報が示されています。そのおかげで、大きく道に迷うことなく目的地へ向かうことができます。
先行研究も同じです。
先行研究には、そのテーマについて先人たちがどのような問題意識を持ち、どのような方法で調査し、どのような結論に至ったのかが記されています。それらを知ることで、自分の研究をどこから始めればよいのか、どのような方法を選べばよいのかが見えてきます。
しかし、地図があるからといって、全員が同じ道を歩く必要はありません。
工事中の道を避けたり、景色の良い道を選んだりするように、研究でも自分の問題意識や研究環境に合わせて進め方を工夫することができます。
例えば、同じテーマであっても、地方で調査を行う人と都市部で調査を行う人では、適した研究方法が異なることもあります。そのような場合には、先行研究を参考にしながら、自分に合った方法へと調整していく必要があります。
一方で、地図を持たずに歩き始めると、目的地へたどり着くまでに何度も遠回りをしたり、同じ場所を行き来したりするかもしれません。研究でも同様に、先行研究を読まずに進めると、すでに多くの研究者が検討した内容を繰り返してしまったり、必要以上に時間を費やしてしまったりすることがあります。
先行研究とは「答え」を教えてくれるものではありません。自分の研究という目的地へ、できるだけ確実にたどり着くための地図なのです。
「読まなくてもよい」論文は「基本的には無い」
ここまで読むと、「では関係がありそうな論文は、すべて最初から最後まで読まなければならないのか」と不安になる方もいるでしょう。
結論から言えば、その必要はありません。
時間が限られている大学院受験では、「まず序論と結論を読む」という読み方がよく用いられます。
つまり「最初(序論・はじめに)と最後(結論・おわりに)だけ読んで意味分からなければ、その研究はあなたには難し過ぎるか、あるいは無関係なので、残りは読まなくてもよいです」という、とても優しいルールがあるのです。
色々な表現があるらしいのですが、とある先生方はこれを「ヘッド(頭)とフット(足)だけ読めば良い。ボディ(胴体)は後で読む。」と表現されていました。
論文を人間の体でたとえると、彼らは頭(序論・はじめに)と足(結論)だけあれば良く、胴体すなわち文中の細かな表現や実際のデータは熟読する必要なし、ということになります。
これが「読まなくても良い」論文は「基本的には無い」と言える理由です。とりあえずは最初と最後のみ読めば良いのです。序論と結論を読んで「使えそうだ」と感じた論文だけを精読していけば、限られた時間でも効率よく先行研究を集めることができます。
基本的には自分に関係していそうな論文はすすんで読むようにしましょう。
必要であれば後でボディも読めばよいのですから。
しかし、先行研究に盲従する必要はない。
先行研究は研究の出発点として非常に重要ですが、その内容をそのまま受け入れる必要はありません。
大切なのは、「どこを参考にし、どこを自分の研究に合わせて変えるのか」を自分で判断することです。
例えば、都市部で実施されたフィールドワークをもとにした先行研究があったとします。しかし、あなた自身は地方で研究を進める予定です。その場合、人口規模や交通事情、調査対象との距離感など、研究の環境は大きく異なるかもしれません。
そのような場合に、「先行研究と同じ調査ができないから、この研究は使えない」と考えてしまうのは早計です。
重要なのは、その研究者が「どのような問題意識を持ち、どのような考え方で調査方法を選んだのか」を理解することです。そのうえで、自分の調査環境に合わせて調査方法を工夫すればよいのです。
もちろん、先行研究の方法をそのまま採用した方がよい場合もあります。しかし、大学院で求められる研究は、先行研究を再現することではありません。先行研究を土台としながら、自分の研究目的や調査環境に合わせて方法を組み立てることが求められます。
つまり、先行研究とは「従うもの」ではなく、「考えるための材料」です。その材料をどのように活かすかが、研究計画書の説得力を左右するのです。
i塾では先行研究探しをサポートします
i塾では「あなたの研究テーマに合った先行研究探し」をサポートします
i塾の体験授業は、本物の授業と同じ形式で行われます。担当する講師が、あなたの現在の研究と過去の実績ある先行研究を繋ぐ方法を一緒に探します。
先行研究をきちんと整理することで、研究計画書全体の説得力を高めることができます。説得力のある先行研究は、大学院の先生だけでなく、あなたの家族や友人に対しても力を持ちます。研究テーマに関心のない人に対しても「なぜその研究が必要なのか」を説明しやすくなるからです。
たとえば「なぜ文系の大学院に行きたいのか?」と質問されたとします。その問いに「○○という先行研究がある。私はその研究の問題意識に共感した。大学院では、その研究を発展させる形で研究したい。 だから、私は文系の大学院へ行くのだ。」と答えられるようになります。
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