文系大学院の入試を考えている社会人が覚えておきたい3つの注意点
「今の仕事を辞めてもう一度学問の道を目指したいけど、合格できるか不安」
こんなお悩みはありませんか?
今回は、一度大学を離れた社会人の院試について、その注意点と院試対策をお話しします。
注意点① 研究室や院試に関する情報が少ない
ただでさえ大学院受験の情報は少ないため、学生たちは研究室の先輩や教員から少しずつ情報を集め、日頃から仲間同士で情報共有を行っています。
研究室はどんな雰囲気か
院試ではどんな問題が出やすいのか
面接では何が聞かれるか
こういった情報は募集要項に載っておらず、基本的にワンマンで準備する社会人受験では取り入れるのが難しい情報です。
また、昨今の大学情勢は数年で簡単に変化してしまいます。自分の大学時代の知識に頼るのは危険です。
そのため、社会人で院試を受験する場合は、いかに情報を集めるかが重要となります。
注意点② 語学のブランクがあり、勉強時間の確保が難しい
文系院試では、高い確率で語学試験が課されます。
語学試験で合格点を取るためには、かなりの勉強量を確保する必要があります。たとえ仕事で外国語を使っていても、院試で出される学術的な文章を読解するためには、それなりの対策をしなくてはなりません。
しかし、普段仕事をしている社会人であれば、日頃から語学の勉強に時間を割くのは難しく、現役大学生との間に差が生じてしまいます。
また、第2外国語まで課されれば、語学試験の対策はさらに難航すると覚悟しなくてはなりません。
注意点③ アカデミックな考え方に慣れていない
以前、こんな人がいました。
その人は海外のフリージャーナリストとして活躍していましたが、さらにスキルを磨くために大学院受験を考えていました。
海外の在住歴が長いため、語学対策にはそれほど問題ありませんでした。
しかし、いざ専門分野の勉強を再開する時になり、ある問題が発生しました。
彼がジャーナリストのスキルとして鍛えた「読みやすいセンセーショナルな文章」と、院試で要求される「論理的で正確な文章」が、あまりにかけ離れていたのです。
また、「事実をわかりやすく伝える」ことを専門としていたため、「事実を基に分析・研究する」という考え方を身に付けられずにいました。
専門知識は少しずつ補っていくことができましたが、学術的に良しとされる文章にどうしても馴染むことができず、しっくりこないまま院試本番を迎えました。
幸いにも院試には合格しましたが、入学後も授業や研究発表では、教員たちから上記のような厳しい指摘が続きました。
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彼のように、語学が堪能であっても専門分野で大きくつまずくこともあります。
時間をかければ知識面はある程度克服できますが、研究分野に特有の思考法や表現もあるため、根本的に学習法を変える必要もでてきます。
社会人が入試を突破するための3つの対策
①志望する研究室を訪問する
大学院入試の情報収集といえば、まず募集要項の取り寄せです。
しかし、募集要項「研究室の雰囲気」「院試の問題傾向」「面接の内容」までは記載されていません。
そのため、「実際に行って確かめる」ことは非常に効果的です。
そこで、指導を受けたい教授にメールで連絡を取ってみましょう。自分をアピールして「覚えてもらう」ことができれば、それが院試の面接や大学院進学後に役立つこともあります。
大学院説明会に参加するもの良いでしょう。
②語学は院試の1年前から対策する
院試で必要な語学力は、主にリーディング力(+ライティング力)です。
そのため、どれだけスピーキングが達者でも、読解できなければ院試では役に立ちません。
リーディングは単語・文法の知識があって初めて成り立つものです。
「昔勉強したけどもう忘れてしまった」という人は、もう一度文法のおさらいをして、ある程度復習できたら辞書を使って読む練習をしましょう。
初めて学習する言語がある人は、文法書と辞書を1冊ずつ購入し、一つひとつ理解しながら丁寧に学習を進めましょう。
会話教室や音源の流し聴きは、外国語を学ぶ上では悪くありませんが、限られた時間での院試対策という点を考慮すると、効率的とは言えません。あくまでも、院試対策に特化した効率の良い勉強をしましょう。
また、語学で大切なのは「慣れ」です。語学は一朝一夕で伸びるものではありません。
院試で語学が必要な人は、少なくとも1年前から対策に取りかかりましょう。
③専門分野の学術書・論文を読み、研究方法を心得ておく
大学院で研究したい内容が決まっている人は、その分野の学術書や論文を読んで、専攻研究に触れておきましょう。
また、院試では論述問題も多く出題されるため、文章を書く練習も大切です。あるテーマに沿って考えをまとめ、自分の言葉で文章を書く練習をしましょう。
書いた文章を、その分野に明るい人に見てもらうとベターです。
大学院試験は早めの対策を。情報収集もぬかりなく
社会人は日々の職務が忙しく、とにかく時間がありません。仕事に加えて受験まで重なれば、身体的にも精神的にもかなりハードになってしまいます。
時間が限られているからこそ、計画的で効率の良い対策が重要です。院試は早めの対策を心がけ、語学は試験の1年前から始められるよう計画を立てましょう。
また、院試は情報戦でもあります。
すべてひとりで解決しようとせず、院試に詳しい人を頼って情報を集めましょう。
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「院試の情報をどう集めたらいいかわからない」
「論述問題をどう書けばいいかわからない」
「独学で第二外国語の勉強はキツイ」
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