文系でも就職せずに大学院進学したほうが良い3つの理由
文系で大学院に進学することについて、様々な悩みを持っている方が多いのではないでしょうか。
理系であれば、最低でも修士号を取ってから就職するのは当たり前になりましたし、それに伴い、博士卒で就職し研修開発職で稼ぐ人も増えてきました。
でも、実は文系でも、就職せずに大学院修士課程に進学したほうが良いのです。
理由①:修士課程修了後も3年以内なら新卒就職できる
1つ目の理由として、「修士修了後も、3年以内であれば新卒として就職できる」という機能的・形式的な理由があります。大学教員を目指していない人や、早いうちに正規就職してリスク回避をしたい人にとって、大学院進学は全く障壁ではないのです。
理由②:社会に出てから役立つ思考習慣が身につく
2つ目の理由として、実質的・内実的な理由としては、若いうちに大学院に行くことで、善意的で開発的な(要修正)思考習慣が身につくからです。これは、大学受験で磨かれる思考力や思考回路とは似て非なるものです。
思考習慣と言うと、企業や塾の広告に用いられる言葉(マジックワード)のようで不可解な響きがしますが、広い意味での習慣、広義の「メンタル面での癖」(mental habit)の一つであり、起床したら顔を洗う習慣があるように、意識せずに行う思考的実践のことです。
どういうものか、ご説明しましょう。かつては大学1~2年生の課程を「教養課程」と呼ぶのが当り前でしたが、これは文字通り「教養」であり、ある意味では高校の学習を発展させたものであり、良くも悪くも「学問研究」とは似て非なるものでした。
それに対し大学院では、大学4年次のゼミや卒論演習を発展させて、まさしく学問研究に従事します。その過程では、「この歴史的(社会的・政治的)事実から、どのような教訓をくみ取ることができて、どうすれば社会に反映・還元させられるか」「私がこれを研究したら、社会はどのように変わり、如何にして社会を改善していく事ができるだろうか」と言った思考訓練を自然な形で積むことになります。
そういった思考訓練を無理のない形で無数に積むことで、「この作業を継続していく事で、最終的に、どのような利益・改善が得られるか」という思考を自然に行う習慣が身につくのです。つまり、実利実益や社会貢献につながる見取り図が、無意識のうちにと言ってよいほど難なく描けるようになるのです。そして、この習慣は、大学の外に出て経済活動に従事する際にも、負担なく業績・収益を上げることにつながるのです。
理由③:将来のための精神的栄養を蓄えることができる
さらに、3つ目の理由として、就職を先延ばしにして「フルタイム労働による精神的危機」を避け、結婚や海外移住、就職形態や進路を含め自分の人生について深く考え、院生や旧友と語り合って「肥やし」を作ることができるというメリットが挙げられます。とりわけ女性にとってこのメリットは大きいようで、女性の院生や、女性の大学院受験生がこのように語っていたのを今でも覚えています。文系の大学院に進学する女性が多いのは、このような現実的・現代的な社会背景があります。
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