私が深まる大学院へ、個別で導く

2022年11月25日

西洋芸術、舞台芸術や音楽学を大学院で研究したい人へ

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私はフレデリック・ショパン、フランツ・リストのことを知りたい一心で、中学生の時に19世紀パリの文化に惹かれ、フランス文学に魅了され、フランス語に強い憧れを持ちました。

ドイツ語圏(当時のオーストリア=ハンガリー二重帝国)の生まれであったフランツ・リストがパリで愛読したシャトーブリアン、セナンクール、ラマルティーヌ、バイロンは当時の私にとっての全てであり、日本語訳がない作家・作品については、神保町の古本屋を渡り歩き、英訳を探しました。辞書首っ引きで英訳を読んだことを今でも鮮明に思い出します。

ショパンやリストは、同時代人のジョルジュ・サンドやヴィクトル・ユゴーと親しく交流していたほか、画家のドラクロワとも親密な関係にあり、彼らはまた、私の思春期の人格を形成した文人・芸術家たちでした。

高校生時代は、印象派の絵画に興味を持ち、美術館巡りを週末に。大学生になってからは足しげく演劇も観に行きました。演劇と言うとサブカルチャーに思えますが、19世紀までヨーロッパの小さい町においては、「音楽学校、美術学校、演劇学校」がワンセットであり、決して社会的文化における傍流ではなかったのです。(広義の「美学」から「一般芸術学」と「個別美学」が派生した時、音楽美学と同じように、演劇美学の研究も興隆したのですね。)

大学入学以降は、堰を切ったように洋書を読み始め、音楽学と美学芸術学を中心に、歴史学、社会学、政治学、文化人類学、心理学など隣接諸科学についても学識を深めていきました。

また、演奏史や演奏慣習、録音研究、またマイナーコンポーザーを全時代にわたって発掘する作曲家列伝の研究にも没頭してきました。演奏慣習や録音研究に関しては東京芸大が進んでいるように思えますが、東大大学院でも相当なハイレベルの研究が行われています。

 

海外に拠点を移して花開く「芸術研究」や「人文科学」

芸術にまつわる研究や「多くの人文科学」は、留学などで海外に本拠地を移すことで大きく花開き、本場の土地や生活から「血となり肉となる哲学」を吸収することができます。たとえばフランス文学やフランス研究であれば、フランスで研究してこそ得られるものは多いですし、ドイツ観念論哲学など多くの人文科学分野において同様のことが言えます。

かくいう私自身、アメリカ帰国子女でありながら、ヨーロッパで研究することで多くの物を学びました。学部学生の頃、ドイツの大学教授たちに顔合わせに行ったのを皮切りに、東大大学院在学中は奨学金を得て欧州に資料調査に行き国際学会や国際会議に参加し、1~2ヵ月の滞在でも質の良い財産を得ました。

その一方、修士課程修了後に正式にドイツに留学した時は、確かにハードではありましたが、得られた学識や経験も格段に桁違いでした。留学中、「ドイツ音楽学会会長」であり「ドイツ・リスト協会会長」であったアルテンブルク先生が私のドクトルファーター(博士論文指導教授)であり、とても顔の広い学者でしたので、多くの学者や芸術家といった著名人を読んでくださいました。(ここでいう「リスト」とは、作曲家のフランツ・リスト)

ピアニストのポリーニ、アルゲリッチ、アシュケナージ、バレンボイムといった一流芸術家も私を激励してくれたのですが、学者だとユルゲン・ハーバーマスや、リスト研究で著名なアラン・ウォーカーやレズリー・ハワードたちも、私が留学していた街を訪れてくれたり、Skypeを通して激励の言葉を寄せてくれました。

ここでは、人文科学や芸術研究に従事する皆さんの力になると思い、アラン・ウォーカーが私に寄せてくれた言葉を紹介したいと思います。アラン・ウォーカーは、3巻全1500ページ以上に及ぶ「Franz Liszt」と題されたモノグラフを著し、「技巧だけを追い求めた表面的でうわべだけの音楽家」という従来のリスト像を払拭し、リスト・リヴァイヴァルと呼ばれる戦後の作曲家再評価の一側面に先鞭をつけることで、音楽界・芸術界・人文科学界に衝撃を与えました。

「周知のとおり、リスト研究には、ドイツ語だけでなく、フランス語が必要である。私も広義の美学芸術学の専攻であったから、学部1年生から第1外国語としてドイツ語を学んだが、リスト研究を始めると決めて、死に物狂いで第2外国語のフランス語を勉強した。私はドイツ語とフランス語で限界であったが、君は英語に加えてドイツ語もマスターし、第3外国語であるフランス語もネイティブに近い非常に高いレベルまで極めた。それに加えて、君はドイツに留学するためにラテン語も学び、話せるレベルまでマスターした。これからの将来、どこに住んでどんな仕事に就いても、習得した語学は必ず君の力になり、君を有利な方向へ導いてくれるだろう。無駄になることなど決してない。」

これらの学者の先生方や芸術家の面々の助力のおかげで、私はEU諸国においても「Ph.D.」としての地位を保つことができています。

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