私が深まる大学院へ、個別で導く

2022年10月25日

院試は意外な落ち方が多いのが怖い?落ちる原因と失敗例を徹底解剖

アイキャッチ画像

文系の修士課程入試では、「優等生」が落ちることが多い!?

文系の修士課程の入試は、いわゆる他大学出身者の受験生が殺到することもあって、優秀な大学院では倍率が高くなるのが常套です。そのため、同期の皆から「あの人は院試も受かるだろう」と思われていた人が落ちる、という事態も起こるのです。

その倍率の高さの中にあっても、確実かつ用意周到に準備した受験生は無事に修士に入学できるのに対し、周りの友人たちから「あの人は真面目で優秀だ」と目されている人に限って落ちてしまったりすることが少なくありません。

 

意外な落ち方の原因と失敗例は、外国語の訳し方にある

では、なぜ周りから「あの人は絶対に受かるだろう」と思われていた人が落ちてしまうのでしょうか。

まず、多くの文系の大学院は、「英語」と「第2外国語」という2つの語学科目が課されます。そのため、自分では「単語も覚えた、文法も確認した」と思っていても、日本語に訳した時に採点者が誤解してしまうような言い回しが多いと、大きな失点となり不合格につながります。いわゆる「いつもの訳し方の癖」というものが、語訳だと思われてしまうパターンが最も多い失敗例の一つです。

 

レベルの高い国立大大学院はメンタルタフネスも必要

次に、国立大大学院の修士課程を受ける時の合格者に求められる、「修士課程の研究における学問的方法論」や「修士研究の学問的新規性」を面接で明白に答えられなかった場合です。このようなケースですと、どんなに筆記試験の点数や研究計画書が優れていても、「画竜点睛を欠く」といった形で最後の詰めが甘くて不合格になります。

たとえば、東大生が東大大学院を受ける場合、普段のゼミや懇親会でにこやかな教授が、急に態度を豹変して鋭い質問をしてきて精神的にひるんでしまう事もあります。研究計画書などは誰かに代筆してもらうことが可能であることくらい、東大教授陣はお見通しなのです。極論すれば、提出論文だって代筆してもらうことが可能です。

一例を挙げると、18・19世紀の「ひげ文字」で書かれたドイツの文章を出されて、「音読してから訳してみて」などと言われるのが東大大学院の院試です。そして上手く訳せないと、「それじゃあ、君の提出した論文や研究計画書は、誰かの剽窃?」などと問い詰められたりします。

その他にも、「修士課程に入ってから、修論に必要な外国語(もしくは史料)をどうやって入手するの?」と問い詰められて、思わず口ごもってしまうと、他の優秀な受験生が合格になったりするのが東大院試の常です。いわゆる圧迫面接を乗り越えるメンタルタフネスも研究者になるには必要なのです。

上述のように、国立大大学院では、「学問的新規性」が認められる修士論文に修士号を出す取り決めになっており、レベルの高い大学院ほど「修士研究の学問的新規性」の担保を受験生に求めようとするのです。そのため、圧迫面接になる傾向があり、精神的なタフさが必然的に必要になってきます。

 

学生が考えていることと、教授陣のビジョンは違う

上述の内容を違う観点から論じることにもなりますが、学部学生が考えている事や目指している点と、教授陣のビジョン、つまり目の付け所の乖離が激しいのも文系院試の特徴です。

学生は、集団授業の講義で教授から聞いた内容や、3・4年生で受講するゼミで教授と交わした会話をもとに、「こうすれば受かるだろう」という見込みを立てていきます。でも、集団授業での講義は、教授陣が「修士合格」を出す基準と食い違っている、もしくは大きく逸れている内容が膨大であり、時にミスリーディングになります。

また、3・4年次の少人数のゼミで、教授が仲良く話してくれたことを信じ込む学生さんも多いのですが、教授は「院試合格の基準は、それとは別」と考えていることが多いのです。

もちろん、「次の院試では、こういった問題を出すから、このような力をつけておくように。論述試験の採点ポイントや、研究計画書の目の付け所は、ここである」とゼミなどで教えてもらえれば良いのですが、平等性の担保や、東大院卒の優秀な教授がMARCH以上の大学に散らばっている、と言った様々な事情から、そのようなケースは少なくなってきています。

そのため、大学学部で学べることとは別に、自力で院試対策を進めることが必要であり、よき先輩や予備校に頼ることがどうしても必要になります。そのため、学生自身はそれなりにコツコツ努力していたり、「これだけ頑張れば、教授も頷いてくれるだろう」と思っていても、根本的に方向性や必要な努力量が異なっていたりします。

英語と第2外国語の得点以外にも、上記のような要因は、文系院試で落ちる根本的な背景です。

 

タグ /
電話で体験授業の申込&相談➿ 0120-196-281受付時間 9:00 - 22:00(年中無休) 有料体験授業を
Webで申し込む(60秒完了)