早稲田大学大学院・商学研究科に向けた研究計画管理支援の実例
早稲田大学大学院商学研究科では、アンケート調査や統計分析を用いた研究計画書を書く受験生も少なくありません。
今回は、実際の指導事例をもとに、統計デザインを含む研究計画書の作成で受験生がつまずきやすいポイントをご紹介します。
研究計画書で一番怖いのは、変更ではありません。
変更を忘れてしまうことです。
そして、それはあなたがもう研究者の視点で考え始めている証拠でもあります。
(注意:本記事は2026年7月時点で受験途中にある学生の事例をもとに作成しています。合格体験記ではありません。あくまでも、早稲田大学院へ向けた一事例としてお読み頂ければと思います。)
変更を見落とすのは、あなたがもう「研究者の視点」で考え始めているから
研究者を目指している人の場合「計画が動いたこと自体を忘れる」というケースが発生することがあります。
「そんな初歩的なミスを、自分がするはずがない」そう感じる人も居るでしょう。しかし、こうした見落としは、実際の受験指導でも決して珍しいことではありません。
理由の一つとして、研究者の意識が未来へ向きやすいことが挙げられます。
つまり「この研究をどのように進めるか」や「次に何を明らかにするか」といった、未来の課題へ関心が向き、一方で、既に決まった過去の変更点を振り返る作業が後回しになりやすいのです。
そして、あなた(大学院受験生)も既にある意味では研究者(の卵)です。
あなた(研究者の卵)が研究を前へ進めようとすればするほど、研究計画を何度も見直す作業を忘れてしまうのです。
これこそが、変更を見落とす原因なのです。
そして受験に集中している場合、どうしても「変化した」ことを理解するまでに時間がかかります。
例えば、語学対策に集中しすぎた、研究室への訪問を優先しすぎた・・・などです。
変更への対応をする前に、そもそもその事実を忘れてしまう。その頃には、教授との認識にも、きっと少しずつ「ズレ」が生まれていることでしょう。
教授も、学生側では既に変更への理解がなされているものとして話を先へ進めることがあります。一度示された変更点が、何度も繰り返し説明されるとは限りません。
「変化した」ことを「忘れた」事実に気付くのが、志望先大学院の設定した書類提出の期限が過ぎた後だったりするのです。
受験の中盤以降になると、志望先の教授との相談を通じて、自分の研究テーマと先行研究との関係を、より明確にする必要が出てきます。
その際に、研究のデザインを抜本的に見直すよう助言されることがあります。
現代的なテーマでは、先行研究同士の主張が一致しないことも珍しくありません。そのため、最も重要な概念が動くことさえあります。
繰り返しになりますが、研究計画が土壇場で変更されることは、決して珍しくありません。
本当に怖いのは、その変更に気付かなかったり、気付いていたのに対応を後回しにしてしまうことです。
後回しにされた対応は、十中八九、日々の忙しさに埋もれていきます。
実際の指導事例 ~早稲田大学大学院・商学研究科~
今回の学生は、早稲田大学大学院・商学研究科を志望していました。
指導の中で最初に行ったのは研究に用いる統計手法の説明ではなく、「研究テーマ・独立変数・従属変数」の関係を整理することでした。
「2つの変数には、どのような関係が想定されているのか」
「単なる相関関係なのか、それとも一方が他方へ影響するという仮説なのか」
「教授との何気ない会話で、この関係性に疑問符が付いたことは無いか?」
「ゼミだけでなく、飲み会や懇親会などの、どんな些細な事でも構わない。なにか研究に関係することを、教授の口から聞いたことはあるか?」
など丁寧にヒアリングしました。
最も厳しかったポイントとしては、重要な変数に設定されていた仮説の、唐突な根本的見直し指示でした。
過去の先行研究において、両変数(とその元となった仮説本体)が既に検討済であったことが原因でした。
志望先の教授曰く「まるで懐かしの80年代ソングを聞いているようだ」との厳しい一撃。
つまり、その発想は既に多くの研究者によって検討されており、そのままでは新しい研究としての意義を示しにくい、という意味でした。
そこで仮説を見直し、その根拠となる先行研究を改めて探す必要が生じたのです
学生へのヒアリングと教授とのメール送受信を重ねながら修正
早速、一緒に変数の方向修正を行う旨の教授への返信を行いました。そして翌週からは、新たな先行研究探しを行いました。
その後も定期的に、「この方向性で問題ないでしょうか」と教授に対して相談を重ねます。
研究進捗の定期的な確認は、研究計画の方向性がズレることを防ぐ予防策でもあります。 教授との進捗の共有は、そのまま方向性のズレ予防なのです。
何度も繰り返し確認することで、より素早く正確な先行研究へとたどり着くことができるのです。
結果、研究計画書の提出には間に合いました。こちらの例では、提出までに既に1カ月を切っていました。それでも間に合ったのです。
だからこそ、教授との短い相談時間を最大限に活用する必要があります。
本来であれば、研究テーマの検討、仮説・方法の練り上げには、長い時間が必要になります。しかし大学院受験では、それを限られた期間内に研究計画書としてまとめなければなりません。
だからこそ、教授との短い相談時間を最大限に活用する必要も出て来ます。
この「動き」への対応・調整作業にi塾講師がお役に立てます。学生と教授の双方の話し合いをスムーズに、かつ注意深く行う手助けをします。
学生側から柔軟に対応する能力を教授に見せなければ、志望先研究室への受け入れが難しくなってしまうのです。
早慶レベルの教授であれば、研究計画は完成形から始まらない
研究水準の高い大学院では、研究計画書の内容が、教授とのやり取りを通じてさらに磨かれていくことも珍しくありません。
本記事を執筆した講師は、早稲田大学の現役生と、早稲田大学大学院を志望する受験生の双方を指導しています。その中では、当初示されていた方向性が、やり取りを重ねるうちに変化し、より高度な研究内容を求められるようになることがありました。
これは、教授が一方的に要求を変えているという意味ではありません。学生が研究計画を具体化し、内容を深めるほど、教授から返ってくる助言も、より具体的で高度なものになるからです。
つまり、学生が計画を改善すると、それに応じて教授から新たな課題が示されます。さらに学生が修正すると、研究内容も一段深まります。このように、学生と教授のやり取りを通じて、研究計画の水準が双方向的に上がっていくのです。
研究を実施する段階であれば、このやり取りは非常に有意義です。しかし、提出期限のある大学院受験では、土壇場での計画変更がミスにつながることもあります。
研究計画書を最初から完璧に仕上げられる受験生は、ほとんどいません。だからこそ、途中で示された変更を記録し、優先順位を整理しながら、提出まで管理し続ける必要があります。
一人でこうした変化に対応することは不可能ではありません。しかし、研究内容が高度になるほど、客観的な視点から進行を確認する第三者の存在が重要になります。
大学院受験予備校が受験サポートに回る必要が、こうした場面にも出ているのです。
i塾では、統計デザインを含めた研究計画全体の管理をサポートします。
研究計画は、一度書いて終わるものではありません。
i塾講師との授業を用いて「教授との何気ないやり取りの中で、重要な変更の兆しは無かったのか?」などを繰り返し確認しましょう。
教授との対話を思い出し、その気づきの中で生じる変化を注意深く管理し続けることが、大学院受験では重要です。
研究計画書提出は、事務処理ではありません。
教授との双方向的な対話を通じて、研究内容を最後まで管理し続ける、責任感を伴ったコミュニケーション能力も同時に問われています。
この過程を一人で抱え込まず、客観的に確認できる環境を持つことが、合格への大きな一歩になります。
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